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アントワーヌ・プレジウソについて

アントワーヌ・プレジウソ(Antoine Preziuso )

THE DETAILS MAKE PERFECTION AND PERFECTION IS NOT A DETAIL
- LEONARDO DA VINCI–

‘ 細部は完璧を作り、完璧は細部ではない’。
-レオナルド・ダ・ヴィンチ-

トゥールビヨンの動きを見たことがある人なら、脱進機のすべての部品を搭載したキャリッジが緩やかに回転する、その魅惑的な美しさに驚かれるでしょう。この複雑機構は、時計製作における最大の難関のひとつであり、時計職人たちは常にその知識と専門性の深さを見せつけてきました。
時計製造の歴史に詳しい方なら、トゥールビヨンは1801年にアブラアン-ルイ・ブレゲが初めて開発したもので、時計を垂直に置いた際の重力の影響によるレートの誤差を軽減するために考案されたものであることを思い出すでしょう。

「私は、この機構を時計製造の最も象徴的な解釈だと考えています。この時計は、私の想像力を新しい地平へと導き、時間をまったく違った角度から見ることを可能にしてくれます」。

現代では、トゥールビヨンの本来の実用的な目的は、その独創性、複雑性、美的魅力によって獲得されたプレステージに凌駕されています。アントワーヌ・プレジウソは、すでに200年前のテーマに独自のバリエーションを加えるチャンスを逃すことはできませんでした。

アントワーヌ・プレジウソ

アントワーヌ・プレジウソは、1957年、スイスのジュネーブに生まれる。
“プレジウソ ”という名字はイタリア語で “貴重な ”という意味で、アントワーヌは幼い頃から時間の尊さを感じていました。時計製作に心を奪われた彼はジュネーブ時計学校に入学。5年間に渡る時計修復師としての修行を積み、輝かしい成績を残し首席で卒業しました。その後、ジュネーブ最大の高級時計ブランド、権威あるオークション会社で、世界最高峰の時計に携わることで歴史と数世紀に渡る時計技術の知識を深めました。

1981年に初の時計工房をジュネーブにオープンします。その高い技術により有名ブランド、博物館から極めて稀少な作品の修復を任されるようになりました。ジュネーブ時計博物館の創立記念として、記念時計の製作への参加もその一つです。このような経験から本格的な複雑時計の製作に取り組むようになりました。その華麗なデザイン、魅力的な複雑機構、最高の仕上げは高い評価を得て、時計業界を代表するブランドの依頼も舞い込みます。世界で最も複雑な腕時計、ミニッツリピーターパーペチュアルカレンダーの製作に携わりました。同時に、アントワーヌ・プレジウソは、新素材の研究にも力を注ぎます。2002年には、世界初のメテオライト(隕石)をケースに採用した時計を発表。同年にはハリー・ウィンストンが2001年から凄腕の独立時計師とコラボレーションにより革新的な複雑機械式時計を製作する「オーパス・シリーズ」でその第2号となる芸術性の高いトゥールビヨンを開発・製作しました。

2015年には、息子のフローリアンと長年に渡る精力的な共同作業から生まれた「トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ」Cal,AFP–TTR3Xを発表。「ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)」では‘イノベーション ウォッチ賞’と、’パブリック賞‘をダブル受賞しました。2020年には、ガイア賞2020’のクラフトマンシップ・クリエーション部門の受賞者にも選出されます。このガイア賞は、芸術と文化を繋ぐ分野で特別な功績を残した優れたクリエーターにだけ贈られるものです。

アントワーヌ・プレジウソは、誇り高きクラフトマンシップの伝統を受け継ぎながらも、既成概念に縛られることなく、世界中の時計愛好家に愛される卓越した芸術作品を数多く生み出し続けています。